電気関係報告規則に基づくポリ塩化ビフェニル含有電気工作物 の届出制度について

1.制度創設及び改正の背景

@PCB電気工作物に係る届出開始
 ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含有する絶縁油を使用したトランス、コンデンサ等の電気工作物(以下、「PCB電気工作物」という)は、電路に施設してから相当程度経過しているため、経年劣化による電気工作物の損壊及びこれに伴うPCB含有絶縁油漏洩の可能性の高まりが懸念されました。このため、PCB電気工作物の使用状況を適切に把握し、必要に応じて立入検査を行うなどの体制を整備することにより、経年劣化による電気工作物の損壊等に伴うPCB含有絶縁油漏洩などの防止を図るため、電気事業法/電気関係報告規則の一部改正等を行い、PCB電気工作物の使用及び廃止に係る届出制度を創設し、平成13年10月15日付けで施行されました。
(対象5品目・・変圧器、電力用コンデンサー、計器用変成器、リアクトル、放電コイル )
 

A微量PCBの混入の可能性により一部改正
 平成15年11月21日、社団法人日本電機工業会より電気機械器具について、当該電気工作物に使用される絶縁油に微量のPCBが混入している可能性が否定できない旨、経済産業省へ報告されました。
 ((社)日本電機工業会の報告書
これを踏まえ、経済産業省は、PCB電気工作物の使用及び廃止の状況の把握及び安全確保の観点から、電気関係報告規則の一部改正等を行い、平成16年4月1日付けで施行されました。
(対象12品目に拡大・・・2.(1)対象機器参照)

BPCB電気工作物に係る実施要領
 これまで、当該届出を円滑に進めるため、原子力安全・保安院にて実施要領を定めてきましたが、平成24年9月19日、経済産業省の組織改編により原子力安全・保安院が廃止されたことから、新たに「PCB電気工作物の使用及び廃止の状況の把握並びに適正な管理に関する標準実施要領 (内規)(平成24年9月19日)」が制定されました。本実施要領により、絶縁油に含まれるポリ塩化ビフェニルの量が試料1kgにつき0.5mg以下である絶縁油を使用する電気工作物については、届出の対象外とされました。
 
また、本実施要領の平成27年3月31日一部改正により、「微量PCB含有電気工作物課電自然循環洗浄実施手順書」に定める方法に従って処理し、当該電気工作物の絶縁油中のポリ塩化ビフェニルの量が試料1sにつき0.3r以下になったと認められるものにあっては、電気関係報告規則第4条の表第17号の2に規定する廃止届出を行った場合、電気事業法上のPCB含有電気工作物に該当しないものとして取り扱うこととなりました。   

C高濃度PCB含有電気工作物の使用禁止と届出等にかかる関係省令等の改正
 平成28年8月1日、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律」(平成28年法律第34号)が施行され、高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品の所有事業者は、その種類や保管の場所が所在する区域に応じて、政令で定める期間内に処分等をしなければならないことになりました。
 これにより、電気事業法(昭和39年法律第170号)で規定する電気工作物である高濃度ポリ塩化ビフェニル使用製品については、電気事業法の定めるところにより廃止等をすることされたことから、平成28年9月24日、電気関係報告規則(昭和40年通商産業省令第54条)及び電気設備に関する技術基準を定める省令(平成9年通商産業省令第52号)を改正し、使用中の高濃度PCB含有電気工作物について、廃止の期限を定めるとともに、当該電気工作物の変更や廃止に係る届出、廃止に向けての管理状況等に係る届出などの様式等を整備しました。
 本改正により、従来継続使用が認められていた使用中の高濃度PCB含有電気工作物について、廃止の義務が科せられるとともに、これまでの計画的処理完了期限より1年前倒しの時点の処理期限が設定されました。九州管内においては、平成30年3月31日までが処理期限となります。   

 
2.制度の概要
 
(1)対象機器
    @変圧器             A電力用コンデンサー  B計器用変成器    L柱上変圧器
    Cリアクトル          D放電コイル        E電圧調整器
    F整流器             G開閉器                      H遮断器
    I中性点抵抗器    J避雷器                    KOFケーブル
 
  ※なお、家電製品に組み込まれたPCB機器や、蛍光灯安定器は本制度の対象外。

 
(2)届出概要  (記載例はこちら)
 @設置等届出(電気関係報告規則第4条の2第1項の表中第1号)
  届出対象は上記@〜Lに掲げる事業用電気工作物であって、
  ・別表(PDF形式)に掲げる電気工作物の種類、製造者毎に示される表示記号等と一致した場合。
  ・別表以外にPCBを含有する絶縁油を使用していることが判明した場合。
  
遅滞なく産業保安監督部長に届け出ること。                        
 
 A変更届出(電気関係報告規則第4条の2第1項の表中第2号)
  @の届出を行ったもののうち、次の事項のいずれかに変更があった場合には、遅滞なく産業保安監督部長に届出すること。
   イ)設置者の氏名(設置者が法人にあっては、その名称)※
   ロ)設置者の住所
   ハ)事業場の名称
   ニ)事業場の所在地
   ホ)当該電気工作物の使用状態(設置又は予備の別)
   ※設置者が変更の場合は、旧設置者から廃止届(様式第2)、新設置者から使用届(様式第1)の届出が必要となります。
    なお、合併等により事業の承継があった場合は、事業用電気工作物設置者地位承継届の届出が必要となります。

 B廃止届出(電気関係報告規則第4条の2第1項の表中第3号)
  PCB電気工作物を廃止した(PCB廃棄物とした)場合には、遅滞なく産業保安監督部長に届出すること。
    または、「微量PCB含有電気工作物課電自然循環洗浄実施手順書」に定める方法で処理したことにより、絶縁油中のPCBの量が試料1sにつき、0.3r以下となった場合についても、廃止届出をすること。
 
 C電気工作物の絶縁油漏洩に係る事故届出(電気関係報告規則第4条の2第1項の表中第4号)
  電気工作物の破損その他の事故が発生し、絶縁油が構内以外に排出された、又は地下に浸透した場合、産業保安監督部長に届出すること。
  イ)当該絶縁油がPCBを含有していることの有無
  ロ)イ)において、含有している場合にあっては、その濃度、事故の状況,及び講じた措置の概要

上記いずれの場合の届出も、提出部数は正本1通及びその写し1通です。(郵送可)
なお、写しに受領印を押印し届出者に返却しますので、郵送での提出の場合には、写しとともに返信用の封筒を同封下さい。

 D管理状況届出(電気関係報告規則第4条の2第2項)
  高濃度PCB含有電気工作物について、毎年度の管理状況を翌年度の6月30日までに、様式第13の6により、産業保安監督部長に届出すること。
  また、直近に届け出た管理状況に記載した高濃度PCB含有電気工作物を廃止する予定の年月を変更する場合には、遅滞なく、変更後の管理状況を産業保安監督部長に届出すること。


上記いずれの場合の届出も、提出部数は正本1通及びその写し1通です。(郵送可)
なお、写しに受領印を押印し届出者に返却しますので、郵送での提出の場合には、写しとともに返信用の封筒を同封下さい。


※その他
@PCB電気工作物を使用する設備等を、売買等により譲渡した(又は譲渡された)場合、譲渡した者は「廃止届出」を、譲渡された者は「使用届出」が必要となる。なお、合併等により事業の承継があった場合には、電気事業法第55条の2に基づく承継の手続きを行うこととなる。

A電路から一度外したPCB電気工作物は、「電気事業法/電気設備に関する技術基準を定める省令」(以下、「電気設備の技術基準」という)第19条第11項により、電路への再施設は禁止されている。なお、絶縁油に占めるPCBの含有が、0.5ppm以下の電気工作物はこれに該当しない。

B「予備品」とは、直ぐにでも電路に施設することが可能な状態で、各事業所等で 保管しているものをいう。したがって、0.5ppmを超えるPCB電気工作物は電路 への施設は電気設備の技術基準違反になり、「直ぐにでも電路に施設することが 可能な状態」ではないため、電気関係報告規則で規定する「予備品」とはなり得ない。

CPCB電気機器等が廃棄物となった場合には、PCB特別措置法(ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法)等の法令等に基づく都道府県等への手続も必要となる。

DPCB検査機関

 

【提出先】
九州産業保安監督部 電力安全課 技術係
〒812−0013
福岡市博多区博多駅東2−11−1 
TEL 092−482−5519